婚礼紹介
南の島原住民族ウェディングセレモニー
「南島族群婚礼（南の島原住民族ウェディングセレモニー）」は茂林国家風景区管理処が企画する管轄内の原住民族の婚礼をテーマにしたイベントです。主に屏東県北部に位置する三つの郷（郷は日本の村に相当）、瑪家郷、三地門郷、霧台郷に暮らすパイワン族やルカイ族の貴族の婚礼をモチーフにしています。求婚から結納、成婚などの儀式があり、イベントに参加した新婚カップルは原住民族の伝統的な文化および婚礼の特色をディープに体験することができます。同時に、観光イベントやパッケージツアーの推進を通して行楽客の方は原住民族の文化に対して理解とリスペクトを深められます。
ルカイ族の婚礼
ルカイ族における婚礼。ルカイ族にとって結婚は人生でもっとも重要な出来事です。単純に個人と個人の結びつきだけでなく、部族内の家と家、家族と家族の結びつきと考えられています。さらに、集落同士が密接な関係を結ぶ重要な過程でもあります。婚礼は個人にとっても、また、部族にとっても重要な儀式となっています。こうした婚礼儀式によって社会全体の道徳と規則が確立されてきました。
ルカイ族は社会階級制度がはっきりとしている部族です。特に婚礼に関しては儀式の中で厳格な規範が見られます。貴族の婚姻は通常、家族間、集落間の地位と栄誉に影響を与えます。このため、ルカイ族の婚礼(dalialaLai)に参加することは、ルカイ族の家族間、さらには集落間の盛大な交流活動に参加することとみなされます。
貴族の婚礼は非常に複雑で、煩雑な決まり事があります。大まかな流れは以下のとおりです：
| 項目 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 探訪(lrikapa) | 男性が女性の家に初めて訪問。 |
| 2 | 求婚(kidrekase) | 男性側の代理人（または司婚者）が女性の家へ求婚に訪れます。男性の友人や家族が多ければ多いほど人気があることを示し、より誠意があることを表します。重要なのは男女双方の年長者が必ず話し合いに参加することです。 |
| 3 | 結納(sabadhane) | 男性側は婚礼スケジュールに従って話し合い、結納の儀式を完成させます。同時に現場で結納品に漏れがないかを確認します。間違いがなければ結納儀式は完成です。結納儀式の内容は女性家族への尊厳と栄光を表します。 |
| 4 | 結婚(karudrange) | 結納の儀式を終了し、現場で結納品に漏れがないかを確かめ、間違いがなければ結納儀式は完了します。結納儀式の内容は女性家族への尊厳と栄光を表します。同時に、上述の儀礼風俗は集落の儀礼風俗委員が間違いがないかを確認し、ルカイ族の高貴な婚礼内容は順調に完了します。 |
パイワン族の婚礼
パイワン族にとって結婚は一生における一大イベントです。結婚することにより家族秩序に組み込まれ、集落において正式な「成人」となります。婚礼儀式を通して新たに生まれた「家庭」は社会組織の一つとして認められ、財産や生活資源を分配してもらうことができ、耕作や収穫においても自主権をもつことができます。
長老からの言い伝えによれば、伝統集落社会では男子が結婚年齢に達した際に未婚の場合、夕暮れ時になるとご飯の後に村を巡視する勤務を行ないます。結婚すると訓練期間が終了し、配偶者と一緒に自分の家に暮らし、温かい家庭生活を満喫します。
パイワン族の伝統的な貴族（mamazangilan）の婚礼儀式は非常に複雑かつ厳粛な内容ですが、21世紀の現在でも集落ではこの儀式が続けられています。簡略に述べると下記のように分けられます。
| 項目 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 探訪(kivala) | 男性が女性の家に初めて訪問。 |
| 2 | 結婚について話し合い(mazepzep) | 男女双方の長老が伝統的な婚礼の形式や結納について話し合います。 |
| 3 | 求婚(temuljinga) | 婚礼に関する話し合いの内容に従って結納を完了し、求婚を進めます。 |
| 4 | ブランコを漕ぐ儀式(palizuk) | 婚礼中に行なわれる儀式で、女性の身分階級を表すシンボルとなっています。 |
| 5 | 結納儀式(paukuz) | 男性側は婚礼に関する話し合いに従って結納儀式を行ない、同時に現場で結納内容に漏れがないかを確認します。もし漏れがない場合は結納儀式が完了します。結納儀式の内容は女性家族の尊厳と栄光を表します。 |
| 6 | 成婚儀式(pucekelj) | 上述の婚礼儀式を完了し、集落の婚礼儀式委員会が漏れがないことを確認した後に円舞が始まります。これはパイワン族の高貴で複雑な婚礼内容が無事に完了したことを表します。これにて婚礼儀式が完了します。 |
幸福なことに当イベントは17年目を迎えます。「南の島原住民族ウェディングセレモニー」は新婚カップルたちが一生に一度の愛を誓う場所で、無限の幸福な未来を創り出しています。
祝福と感動に満ち溢れた儀式は【2023年 南の島原住民族ウェディングセレモニー─情牽大武山（大武山で紡ぐ愛）】に引き継がれ、屏東県三地門郷で賑やかに開催されます。長老たちはパイワン族の伝統的な婚礼儀式を通してそれぞれの新婚カップルの誓いの言葉を見届けます。神聖な大武山のふもとで最も重要な決断が行なわれます。
